個人情報の持ち出しが不正競争防止法違反??不正競争防止法って何!!
こんにちは、個人情報保護アドバイザーの目木知明です。
まだまだ残暑が残りますね、ここ数日は真夏のような暑さが続いています。
熱射病には気をつけてください。
さて、先日、丸三証券元社員ら、顧客情報流出による不正競争防止法違反で逮捕されました。
皆様の中で、不正競争防止法は食品偽装のニュースなどではお馴染みですが、
個人情報の流出で不正競争防止法違反となることについて
ピンと来ていない方も多いのではないでしょうか?
本日は、再度この事件の概要と不正競争防止法についておさらいします。
事件の概要(2009.9.2 産経新聞より)
勤務先の証券会社から顧客情報を持ち出し、転職希望先のライバル会社の社員に渡したとして、
大阪府警生活経済課などは1日、不正競争防止法違反(営業秘密の不正取得など)の疑いで、
丸三証券(東京)の大阪支店元社員、橋本杏子容疑者(25)ら3人を逮捕した。
ほかに逮捕されたのは、キャピタル・パートナーズ証券(東京)の大阪支店社員、
茂木由暁(45)=堺市南区=と中野春彦(32)の両容疑者。
府警によると、橋本容疑者はキャピタル社から内定が出た際、顧客情報の提供を持ちかけられたという。
3人は容疑をおおむね認めている。
逮捕容疑は、橋本容疑者が平成20年7月30日~8月12日、
丸三証券の顧客5人の住所や名前、契約内容を携帯メールなどで茂木、中野両容疑者に漏洩(ろうえい)。
3人は8月上旬、顧客宅を訪問し、キャピタル社の金融商品を勧めたとしている。
橋本容疑者は20年7月、丸三証券で同じ部に所属し、19年にキャピタル社に転職した茂木容疑者らに誘われ、
キャピタル社を受験。内定を受けた際、茂木容疑者らから「客を紹介してほしい。
契約が取れたら契約金額の3割を支払う」と依頼され、自分の顧客名簿から計約40人の情報をメモし、伝えていたという。
契約していないキャピタル社からの営業を不審に思った顧客が丸三証券に連絡し、
事件が発覚。丸三証券は20年9月に橋本容疑者を懲戒解雇し、今年1月に府警に告訴していた。
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不正競争防止法って何!! 今から不正競争防止法について解説します。
本年、4月に弊社コンサルタントの岸本雅美が不正競争防止法について
コラムをまとめていますので再度掲載いたします。
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「不正競争防止法の一部を改正する法律案」が成立
2009年4月21日、企業の競争力を支える先端技術やノウハウの保護強化を狙いとする改正不正競争防止法が衆院本会議で可決、成立した。
改正の背景としては、グローバル化や情報化の進展によって
事業者の経験や知恵の結晶である技術やノウハウ等の営業秘密に対する侵害が容易になり、
企業は大きな損害を被る危険に直面していることがあげられる。
実際、営利や企業への嫌がらせを目的とした営業秘密の開示行為や、
従業員による機密情報の不正な持ち出しなど、
現行制度では対応できない営業秘密の流出事例が相次いでいることも事実である。
こうした状況を踏まえ、事業者間の公正な競争を確保し、
事業者間の連携によるイノベーション基盤の整備を通じて、
我が国の産業競争力を維持・強化する観点から、
営業秘密侵害罪の要件を見直すことになったとある。
具体的な課題としては
① 「不正の競争の目的」が認められない限り、刑事罰の対象とはならないため、
競業関係にない第三者に営業秘密を開示する行為や、
単に保有者に損害を加える目的で公衆に開示する行為などが処罰できない。
②盗まれた情報の「使用・開示」は、侵害者や競争相手の企業内、
あるいは海外で行われるため、その立証は困難を極め、法律が十分な抑止を果たしていない。
などが考えられる。
改正された不正競争防止法では
(1)営業秘密侵害罪における現行の目的要件である「不正の競争の目的」を改め、
「不正の利益を得る目的」又は「保有者に損害を与える目的」とする。
(2)原則として「使用・開示」行為を処罰の対象としている営業秘密侵害罪の行為態様を改め、
営業秘密の管理に係る任務を負う者がその任務に背いて営業秘密を記録した媒体等を横領する行為、
無断で複製する行為等について、処罰の対象とする。
つまり、不正競争目的以外であっても罰則の対象となること、
また営業秘密を記録した記憶媒体の横領、無断複製も罰則の対象となった。
当然、営業秘密としての非公知性、有用性はもとより秘密管理性が
確保されていることが条件であることに変わりはない。
改正法の施行は平成22年中になる見通しだが、
これにより不正競争防止法のカバーする範囲が明確になり、
抑止力としても効果を発揮することが期待できる。
個人情報保護においては保有する個人データが“営業秘密”に該当する可能性が高いため
同法の理解を深めることも有効な保護対策となる。
長年、Pマークの個人情報保護教育において同法の解説を行ってきたが、
今回の法改正により個人情報を取り扱う上での役割、権限及び責任が一層明確になったことは
望ましいと考える。
同法違反となれば1000万円以下の罰金、10年以下の懲役あるいは両罰の適用もある。
つまり、個人情報の不正取得や不正開示は多少のお金を手にできても“割に合わない”のである。
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本日はこのあたりで。
2009.0906 目木