混迷

pmark-anchor 2014年6月10日 火曜日

6月9日に開催された
「第11回 パーソナルデータに関する検討会」の資料が公開された。
すでに、事務局大綱案について
“本人の同意がなくても提供可能に”といった報道もあるが
資料4の意見書にもあるように見直すべき点が少なくない。
これまで問題とされてきた「グレーゾーン」「利活用の壁」といった言葉が
この大綱案で解決したかと言えば
残念ながら結論を急ぎすぎている感が否めない。

 (事務局案より抜粋)
  1 基本的な制度の枠組みに関する規律
   (1) 保護対象の明確化及びその取扱い
     パーソナルデータの中には、現状では個人情報として保護の対象に
     含まれるか否かが事業者にとって明らかでないために「利活用の壁」
     となっているものがあるとの指摘がある。
     このため、個人の権利利益の保護と事業活動の実態に配慮しつつ、
     指紋認識データ、顔認識データ等個人の身体的特性に関するもの等
     のうち、保護の対象となるものを明確化し、必要に応じて規律を設
     けることとする。

これまでグレーゾーンとしてきた
パスポート番号、クレジットカード番号、メールアドレス、携帯端末ID等の
取り扱いについて全く触れられていないのは何故か…。
身体的特性に関する情報のうち、保護の対象となるものを明確化?
保護すべきパーソナルデータの定義が変わった?

そもそも今回の法改正にはビッグデータの利活用により
新しい産業を創出するという国家戦略が背景にある。
つまり事業者目線が主体となって検討が進んできた。
すでに膨大なパーソナルデータを保有する事業者にとって
あるいは今後提供を受ける事業者にとっても新たな可能性を拓く
大きなビジネスチャンスになる可能性はある。

が、一方で自分のプライバシーは厳として守りたいと考える人にとって
本人の同意なく第三者提供可能なパーソナルデータが存在することは
大きな脅威でもある。
筆者が感じる違和感は一度特定されれば取り返しがつかいないことである。
“とりあえずやってみる”は通用しない。
勿論、こうした可能性を大きな脅威と感じる人もいれば
企業ポイントサービスのように見返りがあれば問題ないと考える人もいるだろう。

パーソナルデータの利活用を促進することばかりが目につくが
果たしてその恩恵を受けるのは誰なのか。
「プライバシーは保護されるべき」を基点とするなら
利活用によるメリットがリスクに見合うことを明示すべきである。
その上で、本人が諾否を選択すべきであろう。

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